2023年07月15日
※猫の名前、背景写真は仮です。
サチコは地域猫になった時はすでに歯肉炎で歯が抜け、毛艶も良いとは言えないおばあちゃん猫でした。8歳は超えていたのかもしれません。
3年前の春、サチコは餌が食べられなくなり弱っていました。高齢猫に多い腎臓の不調か、食欲不振からの脱水状態が疑われ、病院で治療を受けさせようと決意しました。
植え込みのところで力なく蹲っているサチコに「チャンス!」と洗濯ネットを被せたところ思いがけない反撃にあいました。
何とかキャリーケースに押し込み、無事動物病院に運べたものの、手負いの捕獲担当者はその時になって大量の流血に気付き、慌てて破傷風のワクチンを打ちに行く顛末となりました。
弱った年寄り猫とは言っても、外暮らしの猫の野生を侮ってはいけないと学びました。
サチコは病院で治療を受けた後、療養のため会員に預かって貰い、保護猫としてそのまま家猫修行を続けることも考えていました。しかしサチコは外猫としての暮らしを選び元の餌場に戻ってしまったのです。
しばらくなじんだ餌場で餌を貰う日々が続きました。
12月に入って寒い季節を迎えるころ、再び弱っていたところを保護したのです。
今度こそ家猫生活が出来たら、という私達の願いはかないませんでした。
ぎりぎりまで弱っていることを見せることはなかったサチコは、高齢の地域猫の晩年の様子を、身をもって私達に教えてくれた先生でもありました。