2023年06月17日
※猫の名前、背景写真は仮です。
見た目が同じようなキジトラばかりの1ブロックのなかで、個性が際立っていた猫が「梅子」です。いつもまぶたが重たげで眠そうな顔と、お尻のすぐ上に張り付くように乗っている独特なカギしっぽは印象的で、誰もがすぐ名前を覚えました。
2016年不妊手術のため病院で血液検査をしてもらうと、腎臓の数値が悪く、おまけに甲状腺機能亢進症だとわかりました。そして、白内障の症状も進んでいて高齢猫の問題をすべてかかえていたのです。
あの独特な風貌はおばあちゃん猫だったからと納得でした。診てもらった獣医師から10歳以上、もしかすると12歳を超えているかもしれないと聞きました。
野良猫の寿命は一般的に5~6歳と言われています。過酷な環境を12年も生き延びてきた事に驚きました。人慣れした様子は飼い猫だったのかもしれませんが、外暮らしは間違いなく長かったようです。
悲しい出来事は間もなく起こりました。数日餌場に来ないと心配していたら、川に流されていく猫を見たという目撃情報が寄せられたのです。梅子でした。
高齢で動きも緩慢な梅子が護岸壁を越えて自分で川に落ちるとは考え難く、悪意のある人の行為の結果かもしれません。
梅子の晩年は地域猫として見守っていきましょうと話し合っていたのに、やりきれない思いでした。
地域猫として「1代限りの命を全うさせること」を守り切れなかった無念さは、今でも忘れることはできません。