2023年06月03日
※猫の名前、背景写真は仮です。
「フジコ」は最後まで正体不明の猫でした。近所で頻繁に見かけるのに、どこの餌場にも現れず、飼い主の特定もできません。落ち着いていて身ぎれいな様子から、飼い猫或いは飼い猫だったが捨てられ、特定の住民から日常的に餌をもらっているのではと考えていました。
耳カットのない妊娠している猫がいると度々通報される事がありましたが、お腹が太めな体形だけで出産の形跡は一度もなかったのです。
2019年7月に住民から弱った猫が動かなくなっていると電話があり、連絡を受けて駆け付けてみるとフジコだったのです。少し前からフジコが病気かも知れないと報告がありましたが、認定外でもあり地域猫のような対処は難しく、見えてこない飼い主か餌を与えている人の判断に委ねるしかないと考えていたのです。しかし、目の前のフジコの危機を見過ごせず病院へ運びました。結局フジコは腹膜炎が進行していて助かりませんでした。
保護の際に自治会の立ち合いもないまま病院へ運びましたが、どうなのかと疑問が残りました。猫の問題は全て当会へ一任という構図になってはいけないと、自治会長へこうした事例の協議の要望書を提出しましたが回答はなされていません。
無責任な飼い方や餌やりの行為が残した結果の一つです。
医療費は事情を汲んだ動物クリニックの厚意で無償で処理してもらえましたが、「これで良かった」では終わらせられない事件でした。