2025年05月10日
※猫の名前、背景写真は仮です。
イラスト:ChatGPT
地域猫活動を始めたころ、私たちの最初の試練になったのは②ブロックの「クッキー」の避妊手術です。それにはまず捕獲が必要で、並外れて用心深いクッキーは、1年近く仕掛けた捕獲機に入らずその間に2回も子猫を出産してしまいました。
人間と猫の知恵比べを繰り返し、手作りの捕獲ネットに入った時の安堵感は今も忘れられません。
相変わらず臆病で、慣れない当番には距離を置いて餌を食べます。カラスが近づくとすぐに餌皿から身を引いて横取りされることも多いのです。
雨の日他の猫達は軒先の屋根の下で食べますが、クッキーだけは近づきません。
身体が濡れても植え込みに隠れて餌を食べたがるのです。
それでも長い間には少しづつ信頼関係は生まれ、今では餌場にある松の高いところまで木登りし当番を待ち受けていることも。
鳴きながら駆け下りてくる姿は「待ってたよ!」と言わんばかりで、怖い顔でうなり声をあげながら子猫を守っていた頃の面影はありません。
先日、昼下がりに餌場の松のそばを通りかかると、クッキーが急に目の前に飛び降りてきて驚いたことがありました。
餌やりはとっくに終わった時間でしたから、餌を期待してというより、顔見知りに挨拶のつもりだったのでしょう。
今のところ健康には問題なく過ごしているクッキー。これから高齢猫の日々が待っています。クッキーの信頼を受けて穏やかに見守っていければと思います。